Martin HD-28VR

1996年製

表板:シトカスプルース単板
裏板:ローズウッド単板
側板:ローズウッド単板
指板:エボニー

1930年代の古きよきD-28の復刻版です
主な特徴はトップのヘリンボーントリム
バックのジグザグストリップ(合わせ目の装飾)
スキャロップドブレイシング
といったHD-28の特徴に加えて
Xブレイシングの位置を前方にずらした
フォワードシフテッドXブレイシング
指板のダイヤモンド&スクェアインレイ
オールドスタイルヘッドVシェイプネックロングサドル
グローバー似のGOTOH製オープンバックペグ
等々本気で復刻を目指したモデルです
材(アヴァロンダックスプルース&ハカランダ)はさすがにこの価格では無理?
ネック幅も当時の幅広ではなくD−28と同じになっています


全体像
やっぱりDサイズはバランスがいいです
音については一般に言われているようにとにかく鳴ります
特に低音は感動的
高音はD-28程の甘さはありませんがその分伸びが良い


美しいTOP
ヘリンボーンとロングサドルが目を引きます
縦にフレイムがびっしり


全体像
シンプル無比


ローズウッド2ピースバック
ヒールのストラップピンは前の持ち主のもの


中央の合わせ目のデザインが
ジグザグストリップと言われるVintageの証


頭が角ばったオールドスタイルのヘッド
ロゴも旧タイプのプリントで
現行の綺麗な金箔ではありません
ネック幅が現行と同じなのはありがたい(違和感がないです)


ペグはGOTOHのオープンタイプ
Martinロゴ付き
たぶんSE700だと思いますがここはせめてSE510が欲しい
ゴールデンエラみたいにWAVERLYなら尚良いのに
しっかりした大型のボリュートが付いています
ネックも昔の軽いVシェイプとなっています


タイヤモンド&スクェアインレイ
昔S.Yairiがスノーフレイクと言っていたポジションマークです
これとヘリンボーンの組み合わせは雰囲気最高です


この雰囲気、まるで本当のVintageみたい
非常に目が詰まった材が使われています
詰まりすぎと言う気もしますが、反面綺麗なフレイムが全面に出ています


ネック基部の刻印
製造番号は1996年前半
型式はなぜかHD-28のままです


たまたまWaverlyが手に入ったので
交換しちゃいました(ニッケル)
やっぱり良いですね
見た目も感触も最高です

<<付録>>
D-28の主な変遷とHD-28VR

1934: D-18,D-28に14Fret Joint model誕生(現在と同じ形に)
1939: ブレイシングForward Shifted Bracing廃止
Neck幅(ナット部)44.5mm → 42.9mm
1944: 指版インレイ Diamonds & SquaresをSmall dotに変更
ブレイシングScalloped Bracing廃止
1946: TOP材 Adirondack SpruceをSitka Spruceに変更
指版インレイ Small dotをLarge dotに変更
1947: ボディバインディングHerringbone廃止
1976: HD-28誕生 HerringboneとScalloped Bracingを再現したもの
1980: カスタムショップの15番目のオーダー仕様のCustom15生産開始
(Forward Shifted Bracing、Diamonds & Squares Inlays等々再現)
1996: Custom15の製品シリーズ化としてHD-28VR生産開始
1999: HD-28Vに名称変更、現在に至る